バラの植え替えの意味
昨年のMVP、ラ・ローズ・ドゥ・モリナールを植え替えて剪定しました。
植え替えの記憶がない
前回の植え替えがいつだったか思い出せないので調べてみました。なんと!2013年でした。しかも土は半分だけ替えただけでした。2013年に土を半替えして2014年に植え替えをしていました。にもかかわらず、毎年恐ろしいほど成長し花を咲かせていたんですね。昨年は毎月花を咲かせ続けて我が家のバラのMVPを獲得しました。
*2018/10/06 植え替え時期について加筆修正しました。
植え替えの手順
寒いこの時期に植え替えるのですから、手順と段取りが大切です。一応確認しておきましょう。
- 用土を準備する
- 棘でケガしないように予め枝を少しカットする
- 鉢から取り出す
- 根鉢を崩す
- 根の状態をチェックし根をカットする
- 鉢底炭を敷き用土を少し入れて高さを調整する
- 用土を入れる
- 隙間なく入れたらたっぷりと水を与える
- 枝を選定し、マルチングして終了
ちょっと細かく分けすぎたかな?それでは一つずつ確認していきましょう。
1.用土を準備する
市販されているバラ専用の培養土を使用する場合はパスしてください。自分で赤玉土、腐葉土、堆肥、元肥等を混ぜて培養土を作る場合は先に作っておきましょう。この時期乾燥していますから、根鉢を崩してから作ったのでは根が乾いてしまいます。今回、私は愛用している鉢バラのための培養土にバイオゴールド大地肥を30%混ぜてみました。
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2.棘でケガしないように予め枝を少しカットする
いきなり抜いても良いのですが、シュラブタイプなどある程度大きくなっているバラは先に枝を少しカットしておきます。それをしないで動かすと、予期しないところで枝が鞭のように襲い掛かってきます。目や顔に棘が刺さったら大変です。私は眼鏡をかけているので目に当たることはないのですが、おでこや頭頂部に思いっきり刺さったことがあります。そしてつるバラなど後に剪定・誘引するものは、枝をまとめて紐で縛って暴れないようにしておきましょう。
3.鉢から取り出す
いよいよ鉢から抜きます。鉢を横から押したり叩いたりして緩めてから抜くのですが、10号鉢位になりますと鉢の素材も厚くなっているので、ちっとも緩みません。私の場合、枝の下の方をまとめてつかんで持ち上げ、バットで鉢の縁を上からコンコン叩きます。スポッときれいに抜けます。
4.根鉢を崩す
ここからは時間との勝負です。根鉢を蹴ったり踏んだり(軽くですけどね)して土を落とします。あとは棒で突いたり、熊手を使っても良いでしょう。なるべく根を傷めないように無理せず土を落とします。根の量にもよりますが、良い土の状態ならばポロポロ土が落ちます。
5.根の状態をチェックし根をカットする
根をよく見てください。癌腫はありませんか?黒ずんだ根は切っても大丈夫です。地上部をどれぐらいの大きさにするのかイメージしながら根を少しカットします。重要なのは地上部と根のバランスです。少ない根の量で大きな地上部を支えることは出来ません。そしてもう一つ大事なチェック項目があります。ネキリムシはいませんか?1匹見かけたらもっといる可能性があります。小さいのもいるかもしれません。根に残らないように気を付けてください。
6.鉢底炭を敷き用土を少し入れて高さを調整する
植え替える鉢の底にネットを敷いて害虫がそこから入らないようにしてから鉢底炭を敷きます。鉢底石でも良いのですが、私は鉢底炭をお勧めします。軽いですし、炭は多孔質ですので土の中の微生物が住み着くのに最高の環境なのです。良い土には微生物がたくさん住み着きます。そして土の団粒構造が維持できるのです。さらに炭を底に敷くことにより水はけをよくするのですが、炭には水を浄化する作用もあるのです。おすすめです。そして予め用意した用土を少し入れ、株を置き高さを調整します。ウォータースペースを考慮して高さを合わせます。
7.用土を入れる
高さが決まったら予め用意した用土を入れます。少し入れては鉢を揺すり、根の間に用土を入れます。それを繰り返し、多少多めに用土を入れます。根が多く入りきらない場合は棒で軽く突いてください。やりすぎると根を傷めますので注意してください。そして水やりをすれば用土は沈み、ちょうどよくなります。
8.隙間なく入れたらたっぷりと水を与える
用土を入れ終わったら水を鉢底から出るくらいたっぷりと与えます。私の場合、水やりの後にバイオゴールドバイタル(活力剤)を与えます。植え付けなどの後に与えておけば間違いありません。それと、用土を入れ終わったら水やりをする前に所定の場所に鉢を移動します。水やりをしてからでは重くなって大変ですからね。
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9.枝を選定し、マルチングして終了
そして鉢土の表面にクリプトモスなどでマルチングをします。この時マルチングは厚めに敷いてください。水やりするとぺったんこになります。隙間からコガネムシが侵入し卵を産み付けてしまいますから。そしてまだまだ寒い日が続きますし、鉢土が凍ってしまわないように防寒対策にもなります。その後枝を選定します。つるバラや大きなシュラブタイプのバラをつるバラとして育てるなら景色を想像しながら剪定・誘引します。この作業が一番楽しいですよね。我が家のラ・ローズ・ドゥ・モリナールは成長力が凄いので強剪定しました。弱剪定で大きく育てると、枝も硬いので強風が吹くと鉢が倒れて大変なことになります。40cmくらいの角鉢なら大きく育てても良いかもしれません。植え替えは大変ですけど・・・。
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植え替えをして感じたこと
調べてみたら4年も植え替えをしていなかったラ・ローズ・ドゥ・モリナール。恐ろしいほどの成長力と昨年の我が家のMVPに相応しい連続開花性と強健性。びっくりです。毎年、もしくは少なくとも2年に一度は植え替えましょうと皆さんおっしゃいます。もちろんそのほうが良いに決まっているのですが、これだけ植え替えなくてもこの成長。この品種の持つ強さが大前提だと思いますがやはり用土でしょうか。水やり、肥料はどのバラも一緒です。環境も西向きの過酷な場所に置いています。それを感じたのは、根鉢を崩す時でした。簡単に土が落ちるのです。ポロポロと。今までに経験のない感触でした。土が良いとこんなに簡単に土が落とせるんだと思いました。今回落とした土は団粒構造が維持されていたわけですから、その土を入れ替えるのは少し気が引けました。でも今回は大地肥がありますので昨年以上の成長を期待します。ちなみに今回落とした土はコンディションが良いのでふるいにかけて再利用しようと思います。
植え替えの意味
結局バラの植え替えは、常日頃から観察すると言う事が大事になってくるのだと思います。我が家のラ・ローズ・ドゥ・モリナールのように何があっても成長に躊躇が無ければ植え替えなくても良いでしょうし、成長が思わしくなければ原因究明と環境を変える意味で植え替えは必要ですから。どんなに素晴らしい成長を見せてくれていても、翌年は根詰まりして成長が止まってしまうかもしれません。植え替えると言う事は
- ネキリムシの確認
- 根詰まりの確認
- 根腐れの確認
- 根頭癌腫など病気の発見
- 土をリフレッシュし栄養分を補給する
と言うことになります。つまり前年の成長不良などの原因究明とその改善、将来の成長不良の予防ということを目的に行うのです。特に鉢植えでバラを育てる場合、上記の問題は常に起こりうることですからなおさら必要になります。毎年完璧に綺麗な花を見たければ毎年必ず植え替えれば良いですし、不調の年があってもOKなら異変を感じてから植え替えれば良いでしょう。私の場合は後者ですね。植え替え作業は体力的にもスケジュール的にも大変ですし、生き物ですから色々なことがあって当然だと思います。異変が起きた時にあれこれ考えてやってみるのも良いのではないでしょうか。趣味ですから。
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